忘却炉伊豆篇、未完のループ橋のご報告です。
伊豆半島某所の山中。
それは、“佇む”と表現するには余りにも壮大な姿で残っています。
昭和50年代初頭、事業主が破綻して工事が中止。
未完のまま放置され、周辺で起こった大規模な地震によって一部が崩落したという説がどうやら有力のようです。
橋が崩れ落ちる程の大地震。
この地に立ってその瞬間を想像すると、少し鳥肌が立ちます。
近付く為には、この鬱蒼と茂る木々を掻き分けて進まなければなりません。
緑の切れ間から時々垣間見える、古びた赤が不思議な感覚を呼びます。
少し開けた場所から、先端部分が見えました。
根元部分まであと少しです。
草木に包まれた小屋。
中には資材が散乱しています。工事用に使われていたのでしょうか。

先端から望む、落ちた橋の一部。 今にも緑に飲み込まれそうな巨大建築物。 大災害で日本が壊滅するような物語はよくありますが、その先はきっと日本中がこんな光景になるのかなぁと想像してみたり。 世界の終わりも、悪くないのかもしれません。
サトウ